8年連続赤字がV字回復!組織と人が変わる信頼関係の築き方
ふっちーこと渕上です!
経営者、社長、管理職などリーダーと呼ばれる方々は、利益、結果を出すために読書など日々勉強をしています。
ただし、経営書を読み知識を「知っている」のと「実践する」のでは大きな隔たりがあります。
今回ご紹介する本は、メガネスーパー代表取締役社長 星崎直彦著『0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方』です。
0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方
- 作者: 星崎尚彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/10/05
- メディア: 単行本
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8年連続赤字を出し、倒産寸前の状態であったメガネスーパーをたった3年というスピードで黒字を達成させた星崎社長。
これは、能力の高い社長がトップダウンで戦略を変えていったのではなく、現場で泥臭く組織と社員の意識改革を行ったものでした。
どのようにして0秒経営を可能にしていったのでしょうか?
そもそも0秒経営とは?
本文中にはこれが0秒経営の定義という書き方はされませんが、 以下のようなたくさんの要素がでてきます。
- 「なぜ」を突き詰め、「なんとなく」を潰し、「今すぐ」が全員できる。
- 「指示待ち社員」が自分から動ける社員へ。
- 社長の私が現場へ、誰のフィルターも通さない。
- やってみない限りはわからないから躊躇はいらない。
- 準備なんていらない、現場の反応を見ながら調整すればいい、0秒のスピードで走り始める。
- リスクを検討し排除するのは社長の役目。スタッフはなんの心配もいらない。決めたら今すぐ。
- 10時間ぶっ通しの会議。社員の目の前で決まり、すぐ共有、即現場へ。
本の副題にあるように、組織の機動力が限界まで高まり、 PDCAが高速に回る経営が0秒経営です。
0秒経営の組織を作るには?
「0秒経営には強固な信頼関係が必要」と星崎社長は言っています。
星崎社長はメガネスーパー以前から企業立て直しに成功した「V字回復請負人」ですが、メガネ業界では門外漢でした。
そこで星崎社長は現場に出て店舗の理解に努めました(初めて参加した経営陣の会議で感じたことが、染み付いた負け癖による無力感と、現場への責任の押しつけだったそうです)。
トップダウンでは組織を変えられない、そして人は「やれ」と言っても動かないものです。
現場のスタッフとミーティングを重ね、無駄を潰し、「なぜ」これをやるのかを突き詰め、ひたすら説明し、やってみせ、証明することを繰り返しました。
それでも相手が理解していないのであれば、それは伝える側に全責任があると言っています。
スピード感についていけず、脱落しかけるスタッフもいたそうです。
そこでも星崎社長は決して誰も置き去りにはしないと、理解できるようひたすら噛み砕いて説明するそうです。
そして、社員の成長は0秒でなくていいと言っています。
社員や組織が変化するには社長が答えをだすのではなく、社員自らが考え答えにたどり着くようにします。そうやってたどり着いた答えは強く信じられるのです。
「いいからやれ」ではだめなのです。これは人を伸ばすどころか人を馬鹿にし、思考停止させてしまいます。
社長は会社の状況や議論の材料を用意し、答えに導く問いかけをするまででよいのです。
星崎社長の姿勢、利益を上げるという結果がスタッフと強固な信頼関係を生み、0秒経営を実現させたのでしょう。
このように星崎社長がスタッフと関わる姿勢の根本には、人の可能性は無限大だという思いがあるのです。
まとめ
8年連続の赤字から3年でのV字回復と聞くと、強引なトップダウンで施策を打ったと思ってしまいそうですが事実は違いました。
社長自ら現場に立ちスタッフと共に築き上げた結果でした。
私の経営のメンターも山の上からあれやれこれやれと命令を出すのではなく、山から降りてきて共に登って行く人です。
そんな方だからついていき、共に居たいと思いました。
そして私もまだ勉強中の身ですがそうありたいと日々努力しています。
こうして経営の世界を仲間と学び、実践を継続していると、何ものにもかえがたい経営の喜びに立ち会うことができます。
星崎社長の言葉をお借りします。
がんばっても結果が出ないとふさぎ込んでいた社員たちが、自分たちでアイデアを考え、自ら実行し、欲しい結果を手に入れたときのあの表情。一度でもそれを目の当たりにすれば、誰だって経営者をやめられなくなるだろう。
とても素晴らしく面白い経営。
いつまでも一緒に働いていたいという仲間ができるリーダー、経営者になりましょう!